事務職への転職では必ず志望動機が必要になります。
でも、志望動機をいざ書こうと思っても、どのように書いたらいいかわからないですよね。
転職を成功させるには、企業に自分のアピールポイントをうまく伝えることが大切です。
あなたの強みや経験を上手に伝えることができれば、転職の成功率が上がります!
今回は、事務職への転職を成功させるための例文とNG例を紹介いたします。
この記事の監修者
渡邉 良文(わたなべ よしふみ)
富士通株式会社を経て、人材育成業界へ転身し研修会社にてコンサルタントとして活躍。2007年に日本を代表する大手電機メーカーの新入社員1200人の研修を総合プロデュース。
現在は受講者を主体とした研修に注力をして商品・サービスを開発。「人は誰でも、常に学習している(自ら成長できる)」をモットーに、研修内製化や社内勉強会といった、企業の人材育成の自走・自立のサポートに力を注ぐ。
著書:勝手に人が育っていく! 社員100人までの会社の社長のすごい仕掛け(かんき出版)
WEB:株式会社ヒップスターゲート
志望動機を伝えるには、まず事務職の仕事内容を知らなくては何をアピールしたらいいのかわかりません。
事務職は、基本的にはオフィスワークです。事務職とまとめて言っても、種類があります。
今回は以下の5つのケースを紹介します。
それぞれの特徴を詳しく紹介していきます。
①一般事務
一般事務は、企業のさまざまな事務作業をおこないます。
書類作成、電話対応や来客対応、郵便物の仕分けなど業務はさまざまです。
データ入力やファイリングなど単純作業が多いため、単純作業の積み重ねが苦にならない人に向いています。
電話や来客対応もあるので、コミュニケーション能力も必須です。
②総務事務
備品の発注・管理、社内規定の作成、イベントの運営を行います。
総務は会社によって担当する業務がさまざまです。
中小企業やベンチャー企業では、人事労務や法務事務など、専門職としておこなうことを総務事務がまとめておこなうこともあります。
幅広い業務を行うので、マルチタスクが求められます。
③経理事務
会社が行っているお金のやり取りが正確に処理されるように、お金の記録・管理をします。
主な業務は、振り込みや引き出し、経費や交通費の精算などです。
お金を扱うので、正確な作業が求められます。
④営業事務
外回りで会社にいることの少ない営業に代わって、事務作業でサポートを行います。
主な業務は、見積書や請求書の作成、電話やメール対応などです。
営業との連携が必要ですので、営業が何を求めているのか察する能力が必要になります。
サポート業務なので、自分が活躍したい、自分で利益を上げたいという方には向いていません。
⑤人事労務
採用、労務管理、給与支払いなどを行います。
労務関連が主な業務です。
面接の日程調整や採用通知の送付、研修に使用する資料作成や研修当日の運営を行います。
アルバイトを雇っている会社では、アルバイトの管理も必要です。
採用する学生、アルバイト、社員までの全従業員を管理します。
全従業員と関わる部署はあまりないので、日ごろからコミュニケーションを取れる人には貴重な景観です。
他にも未経験の方向けに事務職について詳しく紹介していますので、こちらの記事も参考にしてください。
志望動機を書いていくうえで、動機が明確ではないとアピールもできません。
志望動機を明確にしたうえで、企業の求める人物像をリサーチしましょう。
企業の求める人物像に当てはまるようにアピールすると効果的です。
"なぜ貴社を志望するのか"を明確にする
事務職は志望する人が多い職種です。
「休みがとりやすいから」「外に出なくてもいいから」というありきたりな理由では採用に繋がりません。
貴社だからこそ働きたいという理由を伝えましょう。
求める人物像に当てはめてアピール
企業のホームページを見ると、企業理念や求める人材が書いてありますので参考にしてください。
採用ページでは先輩の声など、実際に働いている人の声が書いてあることが多いです。
会社の雰囲気やアピールする要素がわかりますので、企業のホームページは必ず確認しましょう。
実際にどんな志望動機を書いたらいいのか、事務の種類ごとに経験者、未経験者とわけて紹介していきます。
①一般事務
経験者
私が御社を志望した理由は2つあります。
事務経験が活かせること、そして社員の成長を大切にする御社の社風に惹かれたからです。
前職では、提案用資料を作成する際にワードやエクセルを使用しておりましたので、パソコンスキルには自信があります。
現在はやりがいは感じているものの裁量が限定的で、成長するために新しいチャンスを得ることに限界を感じておりました。
そんなときに御社の求人を拝見しました。
御社の求人を拝見し、一般的な事務に比べて営業と同じように裁量が与えられていることを知り、挑戦してみたいという気持ちが強くなりました。
自分の成長を実現するとともに、貴社の成長にも貢献していきたいと考えています。
未経験者
前職では飲食店で働いており、売り上げの管理を行っておりました。
エクセルで販売データの管理や分析を行っているうちに、データ管理に興味を持ち一般事務への転職を希望しました。
飲食店ではお客様一人ひとりの要望を察知し、+αで行動することを心がけています。
多くの部署からの要望を処理していく一般事務でも、この経験は活かせると思っています。
以前から貴社のサービスを長年愛用しているため、事務職を通して貴社のさらなる成長に貢献していきたいと願っています。
書き方のポイント
現在おこなっている業務から、自分のパソコンスキルを伝えましょう。
パソコンスキルが足りないと感じる場合には、勉強をしている点を伝えると印象が良くなります。
未経験の場合は、なぜ事務職に興味を持ったのかも記載しましょう。
②総務事務
経験者
ベンチャー企業で総務に関するあらゆる業務を行ってきました。
創業まもない会社で、自ら仕組みを作り備品管理やマネジメントを行いました。
次のステップとしてより大きな会社に移り、幅広い業務を行いたいと思っています。
株式上場の準備を行っている貴社で、将来的に株主総会の運営全般を任せてもらえる人材を目指したいと考えております。
未経験者
現在は営業として法人営業を行っています。
顧客にヒアリングをおこない課題を見つけて、コスト削減のために提案を続けてきました。
そんな中で、あらゆる業務に関わっている総務事務の方と関わる機会が多く、共に課題解決をおこなう中で、私がこれまでにおこなってきたヒアリング能力が活かしたいと思いました。
貴社は部署数が多いため、総務事務として多くの部署と関われると考えています。
ヒアリングから課題解決をおこなってきた経験を活かして、会社全体を見渡してあらゆる課題解決に取り組んでいきます。
書き方のポイント
総務事務は幅広い業務が多いので、その中で自分の経験をどう活かせるのか、何を成し遂げたいのかを説明しましょう。
未経験の場合は、視野の広さをアピールできます。
コスト削減に取り組んだ経験もあると良いです。
③経理事務
経験者
現在の会社では、経理事務として経理のサポート業務を行っています。
簿記などの資格取得も積極的に行っており、経理の仕事に貢献できることにやりがいを感じています。
しかし、更に業務の幅を広げたいと思い、転職活動を始めました。
貴社の少数精鋭でひとりひとりが裁量を持って働ける点に魅力を感じました。
これまでの経理事務としての経験を活かし、担当業務の幅を広げていきたいと考えています。
未経験者
現在は銀行の営業職として、営業数字を追い続けてきました。
業務を通して、数字の管理が好きでコスト意識を持って業務に取り組むことが得意であることに気づきました。
独学で簿記2級を取得し、未経験でも経理として活躍できる貴社に貢献していきたいと考えています。
書き方のポイント
経理に関わる資格がある場合は、資格を活かしたいというアピールができます。
また、専門性を身に着けたい、経営に携わりたい点もアピールポイントのひとつになります。
お金に関わる仕事ですので、前職でミスをしないために取り組んでいたことや、細かい作業でミスをしたときの対策方法などがあれば伝えましょう。
④営業事務
経験者
前職では、営業事務として売り上げ管理や資料作成に携わってきました。
また、常に先回りして準備することを意識し、営業の効率化に努めています。
貴社は、さらなる営業効率化を目指して業務改革を行っているとホームページで拝見いたしました。
私の今までの経験とスキルを活かして活躍できる環境だと思い、志望いたしました。
未経験者
前職では営業職として売り上げの数字を追い続けてきました。
まだ制度が整っていなかったため、営業事務はおらず、事務の仕事も行ってきました。
その中で営業数字をまとめ、分析することが好きだと感じ、営業事務として極めたいと思うようになりました。
貴社では、営業での経験を活かして営業のサポートを行っていきたいと考えております。
書き方のポイント
営業事務の経験がある場合には、現職で所属部署やサポートしていた営業スタッフの人数を記載し、おこなってきた仕事を具体的に伝えましょう。
顧客対応の経験があると活かすことができます。
未経験の場合は、なぜサポート業務に興味をもったのかを伝えましょう。
⑤人事労務
経験者
現在は人事事務だけではなく、総務や経理とも兼任しております。
複数の分野に関われるためやりがいを感じてはいますが、より人事事務に注力したいと思うようになりました。
採用活動を積極的に行っている貴社では、今までの経験を活かして貴社の人材育成に携わりたく、志望いたしました。
未経験者
現在の会社では、総務事務として幅広い業務を行っています。
業務の中で人事活動を行った時に、採用フローを調整したり応募者と調整を行ったりする中で、もっと人事業務を行いたいという気持ちが強くなりました。
採用活動を積極的に行っている貴社では、総務事務で行っていた幅広い知識を活かしてより採用活動に注力できると考えています。
業務の効率化をし、貴社に貢献していきます。
書き方のポイント
転職を決めた背景を記載してください。
未経験の場合は、なぜ人事労務に興味を持ったのか、詳細に伝えることで熱意を伝えられます。
志望動機に正解はなく、自分らしさを伝えることが大切です。
しかし、書いてはいけないことがあります。
知らないと企業からのイメージも悪くなりますので、NG例を知っておきましょう。
具体的には、NG例として以下の3点があります。
- 給与や待遇が志望理由
- 仕事に関係ない資格をアピールする
- アピールしすぎて上から目線になる
良くない志望動機とともに紹介いたします。
給与や待遇が志望理由
私が貴社を志望したのは、他の企業と比べて給与の条件が良かったことです。
また、年間休日も多く土日休みという点に惹かれました。
休みをしっかり取ることで仕事とプライベートのオンオフを付けることができます。
事務職の経験はありませんが、ワードとエクセルは独学で勉強しているので、知識を活かして貴社に貢献していきたいです。
NG例のポイント
給与が高い、休日が多いなど条件がいいだけの理由は良い印象を与えません。
会社が家から近いなど立地に関することも同じです。
働くうえで給与や待遇がいいことは、誰もが魅力的に感じます。
しかし、本音でも給与や待遇だけをアピールすることはやめましょう。
同じ条件なら他の会社でもいいのではと思われてしまいます。
仕事に関係ない資格をアピールする
私は資料作成を行うことが得意なので、そのスキルを活かして幅広い業務を行いたいと思い総務事務を志望しました。
TOEICは750点で、英語が得意です。
前職は不動産業界だったので、宅地建物取引士の資格も所有しています。
資料作成の経験を活かして貴社の業務に貢献していきたいと考えています。
NG例のポイント
必要な資格をアピールすることは重要ですが、関係ない資格をアピールすることはやめましょう。
何がやりたいのか伝わらず、不審感を抱かせてしまいます。
必要な情報を判断して、情報を整理する力がないとも思われてしまいます。
資格をたくさん持っていたとしても、わかりやすく具体的に資格を伝えましょう。
TOEICなどの語学の資格は、貿易事務やグローバルな会社には良いアピールになります。
アピールしすぎて上から目線になる
前職では、上場会社で決算や株主業務を行ってきました。
スキルと経験を積み、リーダーのポジションを任せてもらっています。
今の仕事にもやりがいを感じておりますが、ベンチャー企業の仕組みが整っていない中で新しく挑戦をしたいと思いました。
貴社は上場に向けて準備をしているとホームページで拝見しました。
私の上場会社での経験は貴社にとってプラスになります。
私が仕組みづくりとして貢献することで、会社の成長につながるはずです。
NG例のポイント
上から目線になってしまうのは、経験者に多く見られます。
これまでの実績をアピールするのは良いことですが、アピールしすぎるとただの自慢になったり偉そうになったりします。
「この会社に自分が入社することによって、会社も成長できます。」
「私は貴社には見合わないほどのスキルを持っています。」
このようなアピールは逆効果です。
企業の人からは良い印象を受けませんので注意してください。
面接で聞かれることは志望動機だけではありません。
他にもいくつか聞かれることがありますので、対策をしておきましょう。
自己PR
自己PRでは、自分のスキルや経験をアピールできます。
志望動機では伝えきれなかったことまで細かくアピールしましょう。
面接官は、自己PRから仕事への意欲や適性、コミュニケーション能力を見ています。
前職での経験や成果も踏まえてアピールすると効果的です。
事務職はデータ入力やファイリングなど、地味な仕事も多くあります。
これまでの職務経歴
今までの業務内容と携わった期間を伝えます。
この質問では、企業の求める業務を任せられるかを見ています。
事務職を経験していた場合には、見積制作や給与計算など、事務職の中でも何をおこなっていたのか、具体的に答えましょう。
面接についてもっと詳しく知りたい!という方は、こちらの記事でも合格するコツを紹介していますのでチェックしてください。
事務職は、周りのサポートをする業務です。
自分が成果を上げたいというアピールでは、事務職に向いていないと思われてしまいます。
資格などをふまえてアピールしつつ、応募先企業でなくてはいけない理由を盛り込みましょう。
NG例としては以下の3つがありましたね。
- 給与や待遇が志望理由
- 仕事に関係ない資格をアピールする
- アピールしすぎて上から目線になる
上記3点に気を付けて、良い志望動機を書くことができれば転職はうまくいきます。
志望動機のサンプルを活用して、自分をアピールできる志望動機を完成させましょう!
職務経歴書の書き方についてはこちらの記事をチェックしてください。
仕事以外の経験でも大丈夫です。
「これまで頑張ってこれた理由」を自問自答してみましょう。
そうすることで、自分でも気が付けなかった”意外な一面”が発見できたりするものです。