退職と転職で知っておきたい社会保険の知識 2017.10.20
転職キャリアガイドを見て無事転職先から内定をもらった皆さんは、いざ転職する際にどのような保険の手続きが必要なのか知っていますか?
手続きが面倒くさいと思っていても仕方がありません。会社を変えるわけですから、相応の手続きが必要です。早いうちに済ませておきましょう。
そのため、今回は退職と転職で知っておきたい保険に関わる手続きを解説します。
社会保険は何があるの?
日本では、国民は社会保険に加入する義務があり、規定の保険料を納める代わりに、医療費や老齢期の生活費などの一部が国から補償されています。
社会保険は主に以下の4つがあります。
- 健康保険
- 雇用保険
- 厚生年金
- 労災保険
社会保険完備の会社であれば、通常は医療費などが一部負担となる「健康保険」と失業手当などを補償する「雇用保険」、年金受給額が加算される「厚生年金」という三つの保険料の半額を会社が負担することになっています。労災保険に限っては、全額会社が負担してくれます。
退職すると、それまで会社を通じて加入していた保険が中断されることになるため、保険再加入手続きが発生します。
また、すぐに転職しない場合は、退職するまでに雇用保険に加入していた場合に限り、条件を満たしてハローワークで失業認定を受ければ失業手当を受給することができます。
今回は、社会保険においては手続きが必要な健康保険について説明していきます。
健康保険の手続き
退職後の保険加入手続き期限の関係で、離職期間が14日以上となりそうな場合は、離職期間中の保険加入手続きをしなければなりません。
退職日より14日以内に転職先に入社する場合
月末に退職し、翌月には転職先に入社する場合など、退職して14日以内に転職先へ入社することが決まっている場合は、必要書類を転職先に提出すれば会社の総務担当が手続きを行ってくれるはずです。
転職先に提出が必要な書類は、「雇用保険被保険者証」になります。こちらは退職する会社から受け取る書類です。ただ、転職先に保険が完備されていない場合は、自分で国民健康保険加入の手続きを行う必要があります。
入社が決まったら早い段階で、保険について転職先の総務に確認しましょう。
離職期間が14日以上(予定)で自分で手続きが必要な場合
離職期間が14日以上となる場合、離職期間中の保険加入については
- ①国民健康保険への加入
- ②前職の会社の保険へ任意で継続加入する方法
- ③家族の扶養に入り、扶養者と同じ保険に加入する という3つの選択肢があります。
国民健康保険に加入する場合
国民健康保険への加入手続きは、退職日から14日以内に行われなければなりません。期限内に健康保険資格喪失証明書、退職証明書、離職票のいずれかを持って住んでいる市区町村の役所で手続きを行います。
もし、離職期間が14日間以上経過してからすぐに転職先が決まった場合、「退職 → 国民健康保険 → 転職先の健康保険」という流れです。保険の手続きがひと月以内に発生したとしても、健康保険も国民健康保険も、月末に被保険者でなければ保険料は徴収しない決まりになっているため、2重に保険料が発生する心配はありません。
また、日本では国民皆保険制度というどの社会保険制度にも属さない人は必ず国民健康保険に加入しなくてはならない決まりがあります。そのため、退職日で健康保険が切れると、何の健康保険の加入手続きもしていない場合は、国民健康保険に加入していることになり、保険料が発生することになります。
手続きを行わない限りは保険証などの証明書が届かないため、国民健康保険に加入していることを証明できず、ずっと医療費を全額負担することになるので注意しましょう。
任意継続で加入する場合
また、退職した会社で加入していた健康保険に任意で継続加入する、「任意継続被保険者」になるという選択肢もあります。
任意継続被保険者になる際の注意すべき条件は2点です。
- 退職した会社にて2ヶ月以上継続して勤務していること
- 退職後20日以内に申し込み(過ぎると不可)
上記を満たしていれば、退職後も最大2年間その保険に加入することができます。申し込み手続きは退職する会社で行なってくれる場合と、自分で申請をする場合とがあります。
ですが、保険料に関しては注意が必要です。退職した会社の健康保険へ任意で継続加入する場合は、月末時点の加入でも初月の保険料を請求されるため、月をまたがずひと月内に転職先の健康保険への切り替えをした場合は、保険料の2重支払が発生してしまいます。
日割り計算などもありませんので、退職する日によっては損をしてしまうこともありますので注意しましょう。
また、会社に在籍していた頃は、会社が保険料を半分負担しくれていましたが、任意継続被保険者の場合は全額負担となりますので、保険料は在籍していたころの2倍となります。
保険料が気になる方は、申し込む際に国民健康保険の保険料と任意継続での保険料の金額を比較しておきましょう。条件によっては国民健康保険の方が高かったり、大企業であればプラスアルファの保険給付が受けられるメリットがあったりします。
被扶養者となる場合
国民健康保険への加入や任意継続被保険者になる他に、家族の扶養に入って扶養者が加入している保険に加わるという選択肢もあります。
ですが、被扶養者は収入が130万円を超える場合は、扶養から外れてしまいますので、転職先や今後の収入が年間130万円を切ると予想される場合であれば良いでしょう。
こちらに関しては、扶養者が所属する会社で手続きを行えば保険証を受け取ることができます。また、扶養に入れば保険料もかからなくなります。
転職・退職における健康保険の手続きまとめ
保険の手続きは知らないと後で面倒な手続きや手間がかかる可能性があります。退職する会社や転職先の言われるがままに手続きをしていると、思わぬタイミングで保険料の納付を求められるかもしれません。
今回紹介した健康保険の手続きについて頭にいれておき、安心して円満退職し、入社を成功させましょう。
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